ハムスターの赤ちゃんへのミルクの与え方と量は?
ご自宅のハムスターが出産をすることは
とても感動しますし、貴重な体験です。
しかし、出産はハムスターにとってまさに命がけで、
出産直後や数日後に母ハムスターが
亡くなってしまうことは少なくありません。
また人間の過干渉や、何らかの原因によって
母ハムスターが育児放棄するケースもあります。
母ハムスターによる育児の継続ができないときには
飼い主が母ハムスターに変わり、
責任を持ってまだ自分で
何もできない赤ちゃんハムスターの命を救ってあげましょう。
今回は人口保育を行う上で、特に重要なポイントとなる
「ミルク」の与え方や量についてご紹介していきます!
目次
ハムスターの人口保育と必要な物
ハムスターの人口保育は難易度が高めです。
しかし、正しい知識と備えがあれば、
不可能ではありませんし、実際に無事育て上げた方々もいます。
出産を予定しているハムスターを飼われている方は
出産を迎える前に万が一の時に備え、
すぐに行動を開始できるよう人口保育に必要な物を
備えておくことをお勧めします。
人口保育に最低限必要なもの
- ミルク
- シリンジ(授乳に使用)
- カテーテル(シリンジに接続して授乳に使用)
- 温度計(ハムスターの適正温度維持)
- 計量器(ハムスターの体重測定)
- 綿棒(肛門マッサージに使用)
ミルクは小動物用のミルクを使用します。
「カスタムラックス・ハムスターミルク」の様に
主原料が穀物のものでは、人口保育には適さないので注意が必要。
おすすめはこちらです!
シリンジは動物病院で購入できることもあります。
対赤ちゃんハムスター用なので、
目盛りは細かいものの方が便利です。
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シリンジの先では、赤ちゃんハムスターが
咥えるには太すぎますので、
シリンジの先にカテーテルをつなげ、
カテーテル先から授乳を行います。
母ハムスターが出産直後に育児が困難になった場合は、
サイズ「3Fr」10日前後経過していれば「4Fr」が
ちょうどいいとされています。
サイズで困る様であれば、小さい方が無難です。
シリンジ同様、動物病院で購入できることもあります。
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温度計は一目でわかるデジタル表示の方が、
忙しい人口保育中ならば飼い主側として便利です。
まだ毛の生えていない、か弱い赤ちゃんハムスターの
人口保育時の適温は33度前後とされています。
計量器は1gから測定できるものを用意しましょう。
料理器具のデジタル表示ものが便利です。
ミルクの与え方、下準備
まずは下準備をしましょう。
ミルク作成
ミルクは製品に表示してある通り作る。
カテーテルの先端処理
カテーテルの先端が角張っていると赤ちゃんハムスターが
痛がることがあるので、火を当て丸みをつける。
シリンジにミルクを入れ、カテーテルから空気を抜く
ミルクとカテーテル処理ができたら、
シリンジ内にミルクを貯めカテーテルを繋ぎます。
ここで重要なのは
「カテーテル内の空気を抜ききる」ことです。
ミルクと一緒に空気を飲ませてしまうと、
器官に空気が入り込んでしまったり、
空気で胃を膨らませてしまうなど、
赤ちゃんハムスターにとって、命に関わります。
ミルクの与え方、保定から口への挿入、授乳開始
ますはハムスターを保定し、
カテーテルを口へ入れ、授乳を開始します。
保定
手のひらを上にし、親指以外の指先を軽く曲げる様にし、
曲線部分を作ります。
そこにハムスターを仰向け状態で、
曲線にもたれ掛かるように寝かせて持ちます。
最後に親指でハムスターが安定するように
優しく押さえます。
シリンジをゆっくり押す役目もあるので、
ハムスターを持つ手は、利き手じゃない方にすると良いです。
カテーテルを口へ入れる
保定が済んだら、ハムスターの口にカテーテルを入れます。
口先に触れさせた時に舐めるなどして自分で咥えさせます。
咥えない場合は口元をツンツンすると口を開けるので、
カテーテルを口内に挿入する。
隣接している鼻に入らないように注意してあげてください。
授乳開始する
カテーテルが口内に入ったら、授乳を開始します。
ミルクが口からあふれないスピードで、ゆっくり与えます。
口から溢れ出てしまったミルクは軽く拭いてあげます。
ミルクの与え方、頻度・量
赤ちゃんハムスターの生命線、授乳の量は
成長に伴い増えていき、頻度は徐々に減ります。
きちんと栄養が摂取できていれば、
生後7日以前・7g以前であれば、3〜4日で体重は1g増加、
それ以降は1日1gの体重増加が確認できます。
授乳の量
どの成長段階でも、上限はありません。
個体に合わせ、
「ミルクでお腹が膨らむほど沢山!!」与えましょう。
沢山!!の目安としては、下記ぐらいです。
- 外からハムスターの胃がミルクで透けて見える。
- もういらないと、ハムスターがカテーテルを押し返す。
- 「うぷっ」とハムスターがなる。
なお、押し返すとき、もういらないと言ってる時に
あと一口は与えるくらいが適量です。
平均的な摂取量は1回につき、次の通りです。
- 生後約7日以前 → 体重の1割ml
- 生後7日後 → 0.6~1.0ml
- 生後10日前後 → 1.0ml
- 生後2週間 → 1.5~2.0ml
あくまで目安です。
個体が充分にミルクを摂取できているかどうか、
お腹の膨らみ具合や、透けて見える胃の様子で判断しましょう。
授乳の頻度
当分の間、頻度は2時間置きに授乳です。
ただし、生後7日以内でなかなか充分なミルクを1回で
取れていないと感じる時は1時間毎に授乳します。
判断としては、授乳から1時間経過時に
透けて見える胃にミルクが入っていないなら、与えます。
薄眼を開けるようになり、
ペーストにしたペレットを口にするようになれば、
3〜4時間毎に授乳です。(生後約10日前後)
ペーストのペレットを食べ始め、水も飲むようになったら、
4〜5時間毎に授乳です。(生後約10日後)
体重が14gを超えたら離乳に向けて
1日2回授乳です。(生後約2週間後)
ミルクを与えた後
授乳後は、毎回「肛門マッサージ」をしてあげます。
これは授乳とセットと考えて、必ず行います。
マッサージの仕方は、
です。
本来は母ハムスターが、
赤ちゃんの肛門を舐めて刺激を与え、
排泄を促す行動をするので、
それをイメージとしてみてください。
排泄がうまく行われないことも赤ちゃんハムスターには
命取りとなるので、必ず行いましょう。
しかし、便が出ないからと言って力を入れすぎてしまったり、
濡らしていない綿棒で行うと、刺激が強すぎて排泄器官を
傷つけることがあるので注意してください。
まとめ
今回は、赤ちゃんハムスターにミルクを与える方法について
ご紹介しました。
母ハムスターによる育児ができないときは
飼い主が母となり、授乳し育ててあげましょう!
以下はまとめです。
■ハムスターの授乳に必要なもの
- ミルク
- シリンジ(授乳に使用)
- カテーテル(シリンジに接続して授乳に使用)
- 温度計(ハムスターの適正温度維持)
- 計量器(ハムスターの体重測定)
- 綿棒(肛門マッサージに使用)
■授乳方法
- ミルク作る
- カテーテルの先端を火に当て丸くする
- 作ったミルクをシリンジに満たし、カテーテルを接続
- カテーテルの排気を行う
- 手のひらの曲線に添わすように仰向けで保定
- ハムスターの口内に先端を入れる
- 口からこぼれ出ないようゆっくり与える
■授乳頻度
- 目が開く生後10日前後まで頻度は2時間置きに授乳。
※生後7日以内でなかなか充分なミルクを1回で
取れていないと感じる時は1時間毎に授乳 - 生後約10日前後、3〜4時間毎に授乳
- 生後約10日後、4〜5時間毎に授乳
- 生後約2週間後、1日2回授乳
■授乳量
- とにかくたっぷりと与える。
- 外からハムスターの胃がミルクで透けて見える。
- もういらないと、ハムスターがカテーテルを押し返す。
- 「うぷっ」とハムスターがなる。
押し返すとき、もういらないと言ってる時に
あと一口は与えるくらいが適量。
■授乳後の肛門マッサージ
- 濡らした綿棒で肛門を撫でるようにマッサージし
排便を促す。
ハムスターの人口飼育は、とても難しいと言われていますが、
せっかく生まれた命なので、助けてあげたいですよね。
2時間毎の授乳などは飼い主としてもかなり大変ですが、
諦めずに、命を繋いであげて欲しいと思います!
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