ハムスターの飼育に関しての知識や悩みの答えなど、飼い主目線でご紹介します!

野生のハムスターの生態とは?ペットとはどう違うの?

ペットとして絶大な人気を誇るハムスターですが、
初めからペットだったわけではありません。

野生で生息していたハムスターを
研究者が捕獲し品種改良が繰り返されて、

現在のペットとしての人気が確立されていきました。

では、現在ペットとして飼われているハムスターと
野生のハムスターでは、

その巣や生活スタイルなどに大きな違いはあるのでしょうか。

今回は、野生のハムスターの生態について
ご紹介していきますよ!

1.野生のハムスターの巣は?

私たちがハムスターを飼育するにあたり準備するのは、
ケージにエサ皿、トイレ、箱型やドーム型の巣箱などですが、

野生のハムスターはどのような巣で
生活していると思いますか?

野生のハムスターは砂漠などの乾いたところに生息し、
地中にトンネル状の巣穴を作ってそこで生活します。

その巣穴は長く深く続いていて、
深さ1m、長さは10mにもなる立派なものなんです!

驚きですね!

その巣穴の中にはいくつかの部屋があり、

自分で、食糧庫、寝床、トイレと、
どの部屋を何に使うのかはっきり決めて生活しています。

これはペット化したハムスターでも同じで、
ケージの中でどこで何をするのかを決めている子が多いです。

出入り口は複数あって、ヘビなどの天敵が侵入しても
上手く逃げ出せるよう工夫されています。

厳しい自然で生き抜く知恵ですね。

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2.野生のハムスターの生活

ペットとして飼われているハムスターは、

昼間はほとんどの時間を寝て過ごし、
夜になると与えられたエサを食べて、回し車を回している…

そんなイメージがあります。

では、野生のハムスターは?

どんな生活をしているのでしょうか。

一日の過ごし方

ハムスターは生態系の中では下位の存在で、
外には捕食者がたくさんいます。

ですから敵に見つからないよう、
日中は巣穴の中で過ごします。

巣穴の中でも安心はできないので、

ぐっすりゆっくり眠るということはなく、
短い睡眠を繰り返しています。

そして敵に見つかりにくい夜になると、
外に出てエサを探します。

ゴールデンハムスターでは、
一晩で10㎞もの距離を移動することも!

我々がビックリするぐらい、ペットのハムスターが
長時間回し車を回し続けるのは野生の名残なんですね。

このように野生のハムスターは、

昼間巣穴で休み、夜外に出てエサを探す、
ということを毎日繰り返しているわけです。

自然界での食事

野生のハムスターは夜暗くなってから
外に出てエサを探しますが、

一体どんなエサを食べているのでしょうか。

ジャンガリアンハムスターなどのドワーフハムスターは、
草や葉、種子などをメインで食べますが、

ゴールデンハムスターは、
それに加えて昆虫を捕まえて食べます。

野生のハムスターが生息する地域は
乾燥していて植物が少ないので、

植物の根を食べたり、
かなりの粗食にも耐えることができます。

夜の間に遠くまで出かけて見つけた大切な食糧は、
頬袋に詰め込み巣に持ち帰ります。

外は危険でゆっくり食事もできませんから、
巣に持ち帰って食べるのです。

これはペットのハムスターにも言えることで、
まだ飼い主にあまり慣れていない時だと、

ひまわりの種など好物を与えてもその場で殻を剥いて食べず、
とりあえず頬袋に入れる姿をよく見かけます。

野生での繁殖

ハムスターは本来単独で生活する動物で、

縄張り意識が強く、他の個体と遭遇すれば
ケンカになってしまいます。

しかしオスとメスが、発情期にタイミングよく出会えれば、
交尾をして子孫を残すことができます。

ハムスターは夜エサを探して巣穴から出ると、
周囲に自分のニオイをつけるマーキングという行動をします。

そのニオイで、

異性が近くにいるとか、
出会った異性と相性がいいのかなど、

様々なことを判断しているのです。

ゴールデンハムスターの場合、
オスとメスが接触するのは交尾の時だけですが、

ドワーフハムスターの場合、
オスは子育てに参加しないものの、

夫婦で一緒に生活する場合もあります。

ペットでも、ジャンガリアンハムスターの夫婦を
同じケージで飼っている飼い主さんがいますよね。

以前寝ているパパハムの隣で
ママハムが出産している映像をネットで発見して

本当にびっくりしました!

野生でもそういう夫婦の形があるということですね。

繁殖は厳しい冬を除いた春~秋に行われ、
短い寿命の間に多くの子孫を残します。

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3.野生とペットではどこが違う?

ここまで、野生のハムスターが
自然の中でどのような生活をしているのか、
ご紹介してきました。

飼育下では飼い主が準備したケージで、
与えられたエサを食べて生活するので、

もちろん野生とは生活環境が違います。

ですが、夜行性であったり、トイレや寝室を分けたり、
基本的に単独生活をするといった生活スタイルは、

ペットと野生での相違はあまりないように感じます。

では、ペットのハムスターと野生のハムスターとでは、
どこか違いがあるのでしょうか?

野生下では冬眠することもある

これはゴールデンハムスターに限ったことですが、
野生では冬眠することが確認されています。

完全には眠らず、体温や心拍数、呼吸数を少なくして、
エネルギー消費を最低限に抑え、

春が来て暖かくなるのを待ちます。

もともと少なかった食糧がより少なくなり、
外に食糧を探しに出かけるよりも、

巣穴で眠っている方が
生命を維持するためには有効ということなのでしょう。

一方ペットのゴールデンハムスターや、
ドワーフハムスターは、冬眠はしません。

室温が低いのにも関わらず保温をしなかったがために、

ペットのハムスターが冬眠状態になってしまう
というケースがありますが、

それは冬眠ではなく疑似冬眠と呼ばれます。

本来冬眠しない動物が冬眠することをそう呼び、
その場合冬眠に近い状態にはなっても、

自分で体温を元に戻すことはできません。

大変危険な状態であるということを
覚えておきましょう。

ペットの方が長生きする

これは平均的なことなので個体差はありますが、

ペットとして飼われているハムスターの方が
野生のハムスターよりも長生きすると言われています。

品種にもよりますが、

ペットのハムスターの平均寿命は3年ほど
野生では2年ということですから、

ペットの方が1.5倍も長く生きるということになりますね。

飼育下では環境の変化が少なく、エサは自動的に供給されますし、
外敵により極端に怯えさせられることもありません。

野生での生活と違って体への負担が少なく、
長生きできるのでしょう。

4.野生のハムスターはいるの?

ペット化される前には
野生で生息していたハムスターですが、

現在も野生のハムスターはいるのでしょうか。

野生種は絶滅危惧種?

研究者によって捕獲された1930年当時、
すでにゴールデンハムスターは希少な存在でしたが、

今でもその数は減少し、
絶滅の危機に瀕していると言われています。

生息地では紛争が起こっており、
なかなか調査が入れないということから、

その数ははっきりとわかっていないのが実情です。

世界最大のハムスターって?

野生での存在が確実に分かっているのが、

ヨーロッパから西シベリアに分布している
世界最大のハムスター、ヨーロッパハムスターです。

お腹が黒いことから日本では
クロハラハムスターとも呼ばれます。

その体長はなんと約30㎝!!

で…でかっ!!笑

他のハムスターのように植物も食べますが、
小動物を捕まえて食べることもあるんです!

ハムスターがペットとして流行り始めたころに、
人工繁殖はしたのですが、

狂暴すぎてペットとしては定着しませんでした。

ゴールデンハムスター同様絶滅が危惧された動物で、
保護動物に指定され保護区まで存在します。

「散歩中、ひょっこり野生のハムスターに会っちゃった~♪」

なんていうステキ体験をしてみたいですが、
なかなか難しいようですね。

(そもそも日本にはいないって!笑)

5.まとめ:野生では過酷な環境で頑張って生きている!

今回は、日本では見ることのできない
野生のハムスターについてご紹介しましたが、いかがでしたか?

ぜひ会ってみたいですよね!

では今回のまとめ、いってみましょう!

■野生のハムスターの巣は?

  • 地中にトンネル状の巣穴を作って生活する
  • 巣穴の中には食糧庫、寝床、トイレなど複数の部屋がある
  • 侵入した天敵から身を守るため、出入り口は複数ある

■野生のハムスターの生活は?

  • 日中は巣穴の中で休み、夜は外でエサを探す夜行性
  • ドワーフハムスターは草や葉、種子などをメインに
    ゴールデンハムスターは+昆虫を食べる
  • 生息地には植物が少なくかなりの粗食にも耐え得る
  • エサは頬袋に詰め込み巣に持ち帰って食べる
  • 外に出た際マーキングをして縄張りを主張したり異性を探す
  • ドワーフハムスターのオスは子育てに参加しないが、
    夫婦で一緒に生活することも
  • 繁殖は春~秋に行われる

■野生とペットの違いは?

  • 野生下では冬眠することもある(ゴールデンに限る)
  • 平均寿命はペットの方が長い

■野生のハムスターはいる?

  • ゴールデンハムスターの野生種は絶滅危惧種で
    野生での生息数ははっきりとわかっていない
  • 確実に野生で生息しているクロハラハムスターは、
    保護動物に指定されている

もともとは野生だったハムスターも、
今ではすっかりペットの代表です。

野生のハムスターの生態を知れば、

ペット化した今も野生だったころの名残が
しっかり残っていることがわかりますね。

ペットのハムスターは春夏秋冬、
季節を問わず快適な環境で、

いつでも苦労せずエサを得ることができます。

しかし野生のハムスターはたくさんの敵がいて、
エサも十分でない過酷な環境で懸命に生きています。

今は絶滅が危惧されていますが、

いつか野生のハムスターが
あちこちで見られるようになるといいですね。

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