ハムスターが冷たく、固くなった!原因や対処法は?
「飼っていたハムスターが急に動かなくなった!」
数年前まで、私は小動物を扱うショップ店員をしており、
急激に冷え込みが始まる冬の初め頃、
よくこのようなご相談を承けることが多かったですね。
一見、「死んでしまったのでは?」と思いますが、
ハムスターの場合、
「疑似冬眠」
という行動が起こっている可能性があるのをご存知でしょうか?
「疑似冬眠とは?冬眠と何が違うの?」
「動かなくなったときの原因と対処法は?」
今日はハムスターと冬眠について詳しく見ていき、
その原因と対処法をご紹介します!
目次
疑似冬眠って何?冬眠との違いは?
「疑似冬眠」と聞くと、
熊などがする「冬眠」を思い描きますが、
実は意味合いが全く違うものになるんです!
どんな違いがあるのでしょうか?
まずは「冬眠」から見ていきましょう!
冬眠とは?
哺乳類が冬場なとで寒くなってくると、
体温を下げて、眠ったように過ごす行動を指します。
日本の哺乳類では、
ヤマネ、シマリス、クマ、コウモリなどが冬眠をするのですが、
その動物種によっても冬眠の仕方は違い、
主に3つのパターンの「冬眠」をします。
①ヤマネ型冬眠
- 秋に倍近くの体重になるほど脂肪を溜め込み、
その脂肪を分解して冬眠中のエネルギーにしている - 体温を0℃までに下げ、呼吸数は30分に1回の割合、
心拍数は通常の1/10まで減少する - 10日~2週間の間隔で目を覚ます
②シマリス型冬眠
- 平均で1.2㎏ほどの食物を地下の巣穴に貯蔵する
- 体温を2.8~8℃まで下げ、
呼吸数も1分で1回の割合に減少する - 10日に一度目を覚まして、排泄・貯蔵食物を食べて
また冬眠をし、これを春まで繰り返す
③クマ型冬眠
- 秋に脂肪を貯え、それを冬眠中のエネルギーとしている
- 体温は普段の体温より4~5℃しか下がらない
- ずっと春まで眠り続け、途中で起きて排泄や食事などもせず、
メスグマに至っては眠ったまま出産をし、お乳を与えることもある
ハムスターはこの②シマリス型冬眠に当てはまります。
私たちが「冬眠」といって思い描く①、③のように
食べて脂肪を蓄えるものでなく、
食べ物を巣穴に溜め込むタイプなんですね!
これは知らなかった(^_^;)
比べるとわかりますが、この冬眠型の中ではこの②が
一番リスクの高い「冬眠」ですね!
途中で食べ物などでエネルギー補給の為に起きる
・・・なんかこれ、よく雪山で遭難した人の症状である
「低体温症」に似てますよね。
①、③のように予め、「冬眠」できる体をつくるわけではなく、
食べ物を用意して、死ぬ一歩手前の「低体温症」を繰り返すので
ハムスターにはだいぶ負担があると考えられます。
また、ハムスターの種類によって
「冬眠」をしたり、しなかったりと様々です。
では、主によく見かけるゴールデンハムスターと
ジャンガリアンハムスターで見ていきましょう!
ゴールデンハムスター
「冬眠」が確認されているのは
クロハラハムスターやブラントハムスターなど、
ゴールデンハムスターに近い種類かつ、それも遺伝的に
冬眠が「できる」種と「できない」種の系統がいます。
クロハラハムスターやブラントハムスターは
野性種に非常に近いので、
品種改良でペットとして飼われてきたゴールデンハムスターが
その野性種と同じように
「冬眠」ができるということには少し疑問が残ります。
実際に「冬眠」している子もいるので
全くしないわけではありませんが、
- 遺伝的に「冬眠」ができない子もいる
- 「冬眠」はハムスターにとって非常にリスクのある行動
と考えると、冬眠させるべきではないと言えますね。
ジャンガリアンハムスター
自然界に生息するジャンガリアンハムスターは
冬でも地上で食物を探す姿が確認されているため、
「冬眠」というものはしません。
かわりに、「日内休眠」という、日中の数時間だけ
体温を下げて巣内で休眠状態をする行動をします。
これにより、消費エネルギーを節約して、
寒い環境で食べ物を探したり、
少ない食べ物で効率的に生きられるようにしており、
また、この行動は秋~冬にかけておこるいわゆる、
「冬至」のように夜が長くなることで引き起こります。
要は、簡単に言えば「プチ冬眠」みたいなものですね!
1日に数時間、自ら「低体温症」状態にして、
エネルギー節約して・・・極限状態ですよね(^_^;)
こちらも命のリスクを伴う「低体温症」状態を繰り返すので
やはり、「冬眠」ではないとは言え、させないほうがいいですね!
疑似冬眠とは?
飼育環境や気温の急激な寒暖差により
「冬眠」や「日内休眠」が起き、
「低体温症」に陥ってしまうことを指します。
疑似冬眠をすると、生きているのですが、
体が冷たく、固いなど死んだような姿になってしまいます!
ゴールデンもジャンガリアンもそうですが、
「冬眠」や「日内休眠」どちらも、厳しい自然界において、
命に危険のある「低体温症」状態を自らつくって
何とか生きようとする行動です。
安定した環境で過ごすことのできるペットのハムスターには
基本的に起こることがない行動であることは
ぜひ、頭にいれておいてください!
疑似冬眠の原因と対処法は?
疑似冬眠に陥ると、ハムスターの 体が冷たく、固いなどの
死んだような状態になります。
それでは具体的に、その原因と対処法について
詳しくみていきましょう!
原因
室温が寒くなると徐々に動きが鈍くなり、
5℃以下で疑似冬眠による「低体温症」になってしまいます。
対処法
疑似冬眠状態のような姿が見られた場合には、
直ちにタオルや毛布などでハムスターを包み、
- ホットカーペットやカイロの上に置く
- こたつの中の熱くならない端っこに置く
などをして少しずつ温めてあげてください。
また、ハムスターの適温は20~22℃なので
室内がそれより低い場合には
エアコンを使い、徐々に温めていきましょう!
数時間ほどで目覚め始めて、
ピクピクと鼻や手などが動いてきたら、
砂糖やハチミツを溶いたお白湯を
無理のない程度にスポイトなどで飲ませます。
無理にあげると気管につまる危険性もあるので
慎重に飲ませましょう!
ちなみに、
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こういったシロップも商品としてはありますよ♪
私が働いていたお店でも元気のない子とかにあげていましたが、
よく飲んでくれましたね♪
ひとつ常備しておくと、
いざというときに大変便利なのでおすすめです♪
さて、ある程度歩けるなど、元気になってきたら、
できれば一度は動物病院さんで診てもらうことをおすすめします!
要は、一度死にかけているのですから、
健康状態を獣医さんに診てもらうことで、
今後のハムスターライフに繋げることができますよね♪
慣れている方だとドライヤーとかで温める方もいらっしゃいますが、
急激に温めるとハムスターの心臓や体に非常に負担になり、
それで亡くなってしまうケースもありますので注意が必要です!
これって疑似冬眠?見分け方を教えて!
疑似冬眠ですが、パッと見ると、
死んでいるのか、生きているのか、
見分けるのは非常に困難です!
また、疑似冬眠に入っていなくても、
体が冷たくなることもあります!
- ではそれはどんなとき?
- 疑似冬眠かそうでない見分け方は?
見ていきましょう!
動いているが体が冷たくて震えている場合
室温が下がると、それに合わせて
ハムスターの自分の体温も下がっていきますので、
当然寒く感じ、震えがでてきます。
これが見られた場合には、直ちに
室温を20~22℃までエアコンなどを使ってあげましょう!
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こういった暖房商品を使うのもいいですね♪
体が冷たく、固くて動かない場合
乾いたスプーンや小さく割いたティッシュなどを
鼻先に持っていき、呼吸をしているか確認をしてください。
スプーンが曇ったり、ティッシュが揺れたりすれば
息をしていますので疑似冬眠の可能性大です!
すぐに対処してあげましょう!
またハムスターの胸に軽く指をおいて
鼓動を確認することもひとつの手ですが、
どうしてもわからない場合は
急いで病院で診てもらいましょう。
死んでいる場合
上記のような反応がない場合は
残念ながら亡くなっている場合が多いです。
- 毛がゴワゴワしている
- 目が乾燥している
- お腹がへこんでいたり、黒くなっている
これは私が亡くなった子達を見てきて、
共通して気付いたものをあげました。
それでも中には、
「死んでしまったと思ったのに、病院へ連れて行ったら生きてた!!」
という話もありました。
最後の望みをかけて、温めてあげたり、病院へ行くという
後悔のない選択肢をしてもいいのではないでしょうか?
まとめ
冬眠や寒さで亡くなってしまうハムスターの飼育場所で
一番多いのは、玄関やリビング、床などの、
温度の変化が激しい場所になりますので、
飼育場所にも注意が必要です!
なるべく温度変化が少ない、またはしっかり調節できる場所を選び、
飼育してあげるといいですね♪
ではまとめです!
- ハムスターが急に冷たく、固くなってしまうのは疑似冬眠という
いわゆる「低体温症」になっている可能性がある - 疑似冬眠とは飼育環境や急激な温度変化により
「冬眠」や「日内休眠」がおこることである - ゴールデンハムスターは「冬眠」をし、
ジャンガリアンは「日内休眠」するがどちらも厳しい自然界を生き抜くため、
自ら「低体温症」となる命のリスクを抱えた行動をしている - 疑似冬眠は気温が5℃を下回ることで起こるのが原因で、
対処方法としては毛布などでくるみ、徐々に温めることが大事である - 震えている場合はハムスターの体温が下がっているので
エアコンや小動物用ヒーターなどを使って気温をあげる - 生きているかどうかの判断をする場合には、
呼吸や鼓動がないか確認をし、それでもわからない場合や
最後の望みとして、病院で診てもらうとわかりやすく、後悔が残らない
最後に・・・
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ウサギ用と書いてありますが、小動物全般につかえるものなので、
もちろんハムスターにも使えます!
日頃からケージ近くの温度を確認していると、
疑似冬眠は防げますのでぜひこのような
温度・湿度計が1つあると便利ですね♪
ぜひ参考にしてください!
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