ハムスターが疑似冬眠した!?生死の見分け方や起こし方は?
ハムスターは自然界では捕食される側なので、
本能として具合の悪さを隠す生き物ですし、
小さく繊細な生き物です。
なので、そんなハムスターが弱っていることに気がついた時は
病状がかなり進んでいることが多く、
どれだけ早く対応ができたかで、
ハムスターの生死は分けられてしまいます。
今回は特に秋から冬にかけて、また、寒さに油断する春先に
起こりやすい「擬似冬眠」について、
死亡時との見分けや対処方法など、詳しくご紹介していきます。
目次
擬似冬眠ってなに?
よく間違われやすいですが、
擬似冬眠は「冬眠」ではなく「低体温症」です。
冬眠はある種の動物にとって、
寒い時期を生き抜くための習性として備わっているものですが、
擬似冬眠は低体温症の病状です。
その病状の様子が、
まるで冬眠しているかのように見えることから
「冬眠」という言葉の入った呼び方をされているだけで、
別物なのです。
低体温症である「擬似冬眠」は、
ハムスターが生きるのに必要な体温を保てず、
死んでしまいそうな、まさに凍死寸前状態にあり、
なんとか命を繋ぎ止めようと、
寝た様な状態になりエネルギー消費を食い止めているのです。
ハムスターにとっては、生きるか死ぬかの命がけの状況で、
なんとか生きようと頑張っているところです。
擬似冬眠してしまう原因
擬似冬眠してしまう主な原因は
- 気温が低い
- 日照時間の不足
- 栄養不足
- ストレスがある
- 他の体調不良によって併発
です。
上記について、1つずつ簡単に見ていきましょう!
1、気温が低い
こちらが疑似冬眠の一番の原因です。
ハムスターにとっての適温は20度〜26度で、
成長段階や健康状態によって範囲内で高低します。
ハムスターを飼育している環境の気温が
10度以下になると擬似冬眠することがあり、
5度以下になると死亡してしまう確率がかなり高くなります。
2、日照時間の不足
直射日光の当たる場所での飼育は不適切ですが、
かといって昼と夜の差がほとんどないような
明るさの下で飼うことも不適切です。
日照時間の不足によりハムスターの自律神経が乱れ、
体温調整機能が働きづらくなり、
擬似冬眠をする場合があります。
3、栄養不足
ハムスターが本来必要とする栄養が採れていないと、
エネルギーが不足し、熱を生み出せないことから
体温を維持できず擬似冬眠をする場合があります。
4、ストレスがある
ハムスターがストレスを感じる状態が続いていると、
免疫力や体力が低下し、体温維持が難しくなり、
擬似冬眠をする場合があります。
5、他の体調不良に併発した
また他の原因による体調不良で下痢をしている時に
体調不良により、体温の調整がうまく出来ないことに加え、
下痢で巣の中や体を濡らしたことにより
体温が低下して擬似冬眠になることもあり得ます。
擬似冬眠と死亡の見分け方
擬似冬眠も、死亡時と同じように触っても反応しないことから、
擬似冬眠なのか死亡しているのかは、
パッと見では判断できません。
擬似冬眠になっている疑いがあるときには
- 1分の間に数回ゆっくりと呼吸をしている
- 丸まって寝ている
- 体自体は柔らかい
- 目や口が閉じている
以上に当てはまれば、冬眠状態の可能性が高いです。
- 目が開いたままで、
かつ目の表面が乾燥して来ている様子が見られる時 - お腹の周りのみ黒ずんで(お腹の中の腐敗が起きて)いて、臭う時
は残念ですが、もう亡くなってるでしょう。
とは言っても、呼吸は極々僅かにしか感じ取れないですし、
その他の判断材料でも明確に断言することは難しいです。
擬似冬眠の状態になってから時間が経過していれば、
体が硬くなっていることもあるので、
正直確実な判断は後回しにして、とにかく早急に
擬似冬眠時にとるべき処置をスタートする方が良いです!
大きさや個体によって差はありますが、
擬似冬眠に入ってから1時間以内に蘇生を開始しなければ、
ハムスターが再び目を覚ますのは難しいとされています。
擬似冬眠の時にする処置は?
温めとエネルギーを補充させることが重要になります。
なにはともあれ、まず温めます!!!
室温を20度くらいにし、環境全体の気温を上げます。
そしてハムスターを手に包んであげるなど人肌で温め、
ときどき体の血行を促進させるため、
背中などをさすってあげましょう。
急激に温めると心臓に負担がかかり、
そのまま死んでしまうこともあるので、
あくまでゆっくりと温めてあげることがポイントです。
ストーブ・ヒーター・ドライヤーは使わない。
ホッカイロを直にハムスターに当てるのも駄目。
とにかく、ひたすら温めます。
手の温度が低い方の場合は、ホッカイロをタオルにくるみ、
手の中にハムスターと一緒に包みましょう。
(※高温にならないように、
タオルの包み具合などは時折、調整してください。)
動きがあったら、エネルギーを補充させて
1時間ほどで、少し動きを見せたらエネルギーを補充させます。
(起き上がる、動き回るなど激しい動きはまだ出来ません。
目を開けて、四肢を軽く動かす程度の動きです。)
ぬるま湯で解いた濃度30%程度の砂糖水
(もしくは同じくぬるま湯で解いた濃度30%の蜂蜜)を
スポイトで一滴、口元につけて与えます。
水分とエネルギーの補給が目的です。
擬似冬眠になるほどの状況では
ハムスターのエネルギーはほぼ空っぽになっているので、
砂糖や蜂蜜を与えることは必須です。
ハムスターが尿もしくは便をするまで
様子を見ながら繰り返し与えましょう。
エネルギー補充中、またエネルギー補充後も
温め続けてください。
関連記事:ハムスターが弱っている時に使う砂糖水の希釈率や与え方は?
ケージに戻す
温め始めから3時間程度は温め続けましょう。
およそ3時間温めると、自力で歩ける様になりますので、
適正な温度に置かれたケージ内に戻してあげましょう。
この時の適温は、ハムスターが病気の時の適温である
24度〜26度です。
病院に連れて行くか、行かないか
この判断は、置かれている状況によります。
いつも診てもらっているなど、
ハムスターに強い動物病院を知っていて、
すぐ診てもらえるのであり、
かつハムスターを温めながら移動できるのであれば、
病院に行って処置してもらうといいでしょう。
逆に、ハムスターに強い病院を知らない上に、
温め続けることは困難な状態で、
外気に晒しながら移動することになるのであれば、
自宅で対処してあげた方が良いでしょう。
まとめ
今回は、ハムスターが擬似冬眠する原因や起こし方について
ご紹介しました。
ではまとめていきましょう!
- 気温が低い
- 日照時間の不足
- 栄養不足
- ストレスがある
- 他の体調不良によって併発
■見分け方
- 生きている可能性が高い場合:
1分の間に数回ゆっくりと呼吸をしている、丸まって寝ている、
体自体は柔らかい、目や口が閉じている - 死んでいる可能性が高い場合:
目が開いたまま、目の表面が乾燥して来ている、
お腹の周りのみ黒ずんで(お腹の中の腐敗)いて臭う - 判断が難しい場合もあるため、触っても反応がないなら
生死を悩むのは後回し。とにかく温め始める!
■起こし方・対処法
- 室温を20度くらいにし、環境全体の気温を上げる
- 手に包むようにしてじっくり温める
※手の温度が低い人はホッカイロで調整 - 反応が見えたら、砂糖水か蜂蜜水を与える
- 3時間ほどして歩けるようになったらケージに戻す
- ストーブ・ヒーター・ドライヤーはNG
素人では擬似冬眠かどうかの判断は難しいです。
大切なハムスターが動かない場面ならなおさらですよね。
なので、「触っても反応がない、冷たい!」と感じたら
とにかく擬似冬眠時の対応を始めてあげましょう!
少しでも早く対処を始めることが大事です。
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