ハムスターが右に傾いてる!斜頸の原因や治療方法は?
みなさん「斜頸」という症状をご存知でしょうか?
「あれ?うちの子なんか首傾げてる…」
「クルクル回ってるけど、何しているのかな?」
それ、もしかしたら「斜頸」かもしれません。
今回は、ハムスターの斜頸についてのお話です。
目次
1.斜頸ってなに?
「斜頸」とは、文字通り
首が斜めに傾いた状態になってしまうことで、
ハムスターに限らず多くの動物で
その症状は見られます。
何らかの原因で平衡感覚に異常を来し、
- 首が傾く
- ふらふらしてまっすぐ歩けない
- クルクル回ってしまう
などの症状が現れます。
2.斜頸の原因は?
先述した通り、斜頸は
平衡感覚が正常でなくなることで現れる症状ですが、
その原因は一体何なのでしょうか?
ハムスターの場合で考えられる原因について
解説していきます。
細菌感染
耳の奥にある三半規管と呼ばれる器官が
細菌に感染することが
原因の一つとして挙げられます。
三半規管は平衡感覚を司る器官で、
そこが細菌に感染して炎症を起こすとことで
平衡感覚が失われてしまいます。
ハムスターの斜頸の多くは
これが原因だと言われています。
外耳炎を患っているのに適切な治療をせず放置したために、
外耳から中耳、内耳と、
どんどん炎症が耳の奥まで広がり、
斜頸の症状が現れてしまうということがあるのです。
脳の障害
稀に、ケガや脳炎、腫瘍による圧迫で神経に障害が起こり、
平衡感覚がおかしくなることがあります。
細菌感染に比べて重症の場合が多く、
そのまま死んでしまうことも少なくありません。
遺伝による先天性のもの
生まれつき斜頸の症状を有しているハムスターもいます。
斜頸の症状に気づかずにペットショップで購入し、
短い間しか一緒にいられなかった、
という飼い主さんもいらっしゃるようです。
病気だからと言って購入しないというのも
可愛そうな話ではありますが、
長く共に暮らしたいと思うならば
迎える時におかしなところはないか、
十分注意して観察することをオススメします。
3.斜頸の治療方法は?
斜頸は早期発見、早期治療で、
後遺症なく快復する可能性は高くなります。
斜頸になってしまっても
適切な治療を受けてすっかり良くなり、
平均寿命よりもずっと長生きする子もいます。
ハムスターの異常に気づいたら、
できるだけ早く病院で診察を受けましょう。
病院では主に、抗生剤などの飲み薬が処方され、
ハムスターの状態や年齢などによっては
入院治療をする病院もあります。
治療費はだいたい2000円ほどからですが、
病院や治療方針にもよりますので、
事前に病院に確認しておくと安心です。
斜頸の原因の特定は難しく、症状を見た獣医師の判断で、
効果の見込める薬を順に試していく方法でしか
対処することができない場合が多いです。
脳腫瘍であればMRI検査で診断できますが、
ハムスターに対してのMRI検査は、
- 麻酔をする必要がある
- 検査可能な病院が限られる
- 高額な費用がかかる
などの問題点がある上に、
もし検査で腫瘍が見つかっても治療することは困難なことから、
実施されることはまずありません。
4.飼い主さんができること
大切なハムスターが斜頸になってしまったら、
あなたにできることは何でしょうか?
できることは少ないですが、
お家でしてあげられることを考えてみましょう。
ケガをさせないようにする
斜頸になると、体が思うように動かせなくなります。
今までは何ともなかった段差で転んでしまったり、
足を引っかけてケガをすることも考えられます。
金網タイプのケージで飼育している場合は
- プラケースに変更する
- 回し車やおもちゃは撤去する
など、できるだけ危険因子は取り除くようにしましょう。
落ち着いて暮らせる環境づくり
斜頸は神経疾患による症状です。
興奮状態にならないようにし、
神経を落ち着かせることで症状を和らげることができます。
落ち着いて暮らせるよう明るすぎないようにし、
狭めのお家で静かに過ごさせてあげましょう。
長期の治療に備えた食事
斜頸は原因の特定が難しいので治療が長期にわたる可能性があり、
体力の維持が重要になってきます。
斜頸の症状が出ると体が思うように動かず、
気持ち悪くなってしまうのか、食欲が落ちてしまう子が多いです。
食欲がない時は一時のことと割り切って、
多少嗜好性が高くても、
その時に食べられるものを与えてみましょう。
水分も同時に一緒にとれる野菜もオススメです。
時間がたつとだんだん体が慣れて食欲も戻ってくるはずですから、
その時には元通りの
バランスの取れた食事に戻してあげましょう。
5.まとめ:快復への第一条件は早期治療
今回は斜頸という症状についてでしたが、
参考になったでしょうか。
では、まとめです!
■斜頸とは?
- 首が斜めに傾いた状態になってしまうこと
- 平衡感覚に異常を来し、
首が傾く / ふらふらしてまっすぐ歩けない / クルクル回ってしまう
などの症状が現れる
■斜頸の原因は?
- 三半規管の細菌感染
- 脳の障害
- 遺伝による先天性のもの
■斜頸の治療方法は?
- 抗生剤などの飲み薬で治療する
- 効果の見込める薬を順に試していく場合が多い
(原因の特定が難しいため)
■飼い主さんができること
- ケガをさせないようにする
(ケージをプラケースにする、回し車は外すなど) - 落ち着いて暮らせる環境づくり
(明るすぎない狭めのお家で静かに過ごさせる) - 長期の治療に備えた食事
(食欲がない時はとりあえず食べられるものを与える)
斜頸は、その原因によっては
完全に快復できる場合があります。
そのためには、症状が現れたら
すぐに医師の診察を受けることが重要です。
治療の開始が遅れれば、
それだけ後遺症が残る可能性も高くなると思って下さい。
大切なハムちゃんを守るため、
迅速な行動を心がけましょう!
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